千代田区O邸では概ねインテリアのコーディネートも完了し、いよいよ実施設計に入っていきます。
以前のブログ(千代田区O邸のインテリア検討)で選定した置き家具で実際に採用いただいた素材をCGにて表現していきます。

アルフレックスの家具は、国内(北海道旭川)で生産しており、高い品質で発注してから1カ月半で納品可能です。しかし、モルテーニやポリフォルムはイタリア本国での生産になり、発注後7~8カ月の期間を要してしまうため、マンションの改修工事に取り掛かる前に発注を掛けないと引き渡し時に家具をそろえることが出来ません。工期が短い場合は、いずれにしても1か月後の納品にはなってしまいます。
当初は全てアルフレックスで引き渡し時に全て整った状態でお引き渡しをする予定でしたが、日本では取り扱いの無いファブリックやレザーの質感に共感いただき、納品は引き渡し後となってしまいますがダイニングチェアはグレイスアームチェアポリフォーム)、アームチェア+オットマンはケンジントンモルテーニ)を採用いただくことになりました。
実際のサンプルの生地を手元でお見せしながら、CGにて出来る限り質感を近づけてイメージにてご確認いただきました。

↑日中のダイニングセット。自然採光での色味の確認。

↑夜のシーンでの照明計画を反映した色味の確認。ダウンライトや間接照明は色温度3000ケルビン、ペンダント照明は2700ケルビンでシュミレーションを行っています。昼と夜では、同じ素材でも色味や素材の光沢なども違って見えたりします。

↑日中のリビングセット。自然採光での色味の確認。

↑夜のシーンでの照明計画を反映した色味の確認。

「※あくまでCGですので本物とは異なります」とマンション販売のカタログには小さい字で書かれていますが、ザ・ライブラリーでは本物の生地サンプルをお見せしながら、出来る限り忠実に再現するようにしています。

お施主様の承諾が得られたところで、着工前にすべての置き家具の発注をさせていただきました。

インテリアや家具のイメージもお施主様と共有できたところで契約を行い、着工前に一気に実施設計やマンションの工事届の準備をしていきます。

CGで起こした3Dデータを2次元化(図面化)して施工用に図面を起こしていきます。

The Libraryでは異素材との取り合いをどのように見切るかをとても大事にしています。1/50のスケールの図面では解らないディテールも細かく職人に伝えるように↓このような現寸の図面も書いていきます。

建物内の壁面図(展開図)は内装を仕上げるにあたり、家具業者、タイル業者、石工業者、ガラス業者、クロス内装業者の方たちと、素材の取り合いや、作業順番を互いに話し合いために使用していきます。各業者がさらに詳細の図面を検討して実際に出来上がっていくのです。

そして↓この図面が巾木の色分け図面です。巾木とは壁面と床材を見切るための部材ですが、実用的には掃除機をぶつけても壁面を傷つけないための物でもあります。
通常はお部屋の中一色(白または、床材に合わせた木目調)の物が全て統一して貼られていますが、ザ・ライブラリーの内装では壁面に様々な素材を使用します。
例えば色のついたカラーガラスや石材、タイルなどの下に真っ白の巾木が付いてしまうと主とする材料が引き立ちません。手間はかかりますが、こだわって張る材料を引き立てるために巾木も
壁面の材料に合わせて素材や色味を変えていくのです。

いよいよ次回からは現場着工です!まだまだ準備は続きます。