A様からご相談のあったお部屋は、南青山の新築マンションでした。
室内のベースインテリアは、白っぽい木目フローリングに、基本白クロス仕上げの壁と天井で、窓サッシはマンション全室共通で黒でした。インテリアのオプションを加えない状態での室内空間は、CGイメージの通り、本当に漂白されたように無味無臭でした。

まず最初にリノベーション設計をするうえで考えたのは、リビングダイニング空間に4面ある(窓も含んだ)壁面のどれをメインの壁とするかでした。今回は大きな掃き出し窓から隣地の緑地が見える南面をメインの壁と考えました。二つの窓の黒いサッシが目立っているので、濃い木目のウォールナット突板で作った三方枠(左右と上で、門型の枠)で2つの窓を取り込んで、窓の間の壁にもウォールナット材を張って、テレビを置くバックグランドにしようと考えました。

↓木目ウォールナット三方枠(CG)

 

シックで重量感のあるメインの南壁に対して、やはり南青山エリアの街並みと空が見える大き目な窓がある東面はセカンドの壁としています。メイン壁ほどは重量感はなくとも、素材の質的には同等レベルに感じられるものということで、大理石調タイルをデザイン張りとすることにしました。グレーの色調の600ミリ角のタイルですが、グロス(ツヤあり)とマット(ツヤなし)があるので、真物(カットしない600ミリ角)をグロスで、カットしたボーダー(細く割ったタイル)をグロスとして、少しずらしながら張るデザイン張りとしています。

↓東面セカンドの壁、大理石調タイル(CG)

↓写真の様に、CGにより表面のグロス、マットの質感も確認いただけます。

上記の2面に対して、家具レイアウトを考えた際に、ダイニングセットが横に来る壁については、目地を切ったビニールクロスのパネル張りとしています。壁のパネル中心に合わせたダウンライト照明を設置する計画です。最後のキッチンと洋室(書斎?)への扉のある壁は、キッチンカウンターの高さで上下に分割をして、ビニールクロスを張り分けています。

↓クロス上下張り分け(CG)

メイン壁とセカンド壁の間にある柱型もリノベデザインを考える上では重要なポイントでした。目立たせたくないけれど、安易にミラーを張りたくなかったので、カラーガラスを2面に張って、映り込みによって柱型の存在感を薄くするように考えています。

↓柱2面カラーガラス(CG)

また、廊下からLDに入ってくるアプローチ空間は、天井が低く優先度は低い空間ですが、コンソールを置いて絵を飾るには最適な空間なので、セカンドの壁と揃えたデザインの大理石調タイル張りとしています。

↓アプローチ側セカンドの壁、大理石調タイル(CG)

ザ・ライブラリーが考える各壁の重要度に合わせて、このAさまの好みの色味のイメージと、ロビー等のマンション共用部で使われている素材を掛け合わせて、多様な素材をレイアウトして、スタイリッシュで奥行きを感じるリビングダイニン空間を提案しています。