南青山の新事務所リフォームも、塗装とクロス張り、そして事務室の書棚と建具とキッチンを残すのみとなってきました。

お客さまがいらっしゃる打合せ室とは違い、スタッフが使う事務室はあまり費用を掛けない方針なので、既存の壁&天井クロスと同じ品番のクロスを貼りまわすことになっています。

以前は壁で仕切られていた小部屋をかつてのLDに合体させたこと、またキッチンにも新しい開口を作っているので、それなりのクロス張り作業がありました。

打ち合わせ室にテレビを設置する壁は、クロスのデザイン貼りとしているので、クロス屋の清水さんがパテ作業をしてくれています。

ベニヤ板で5ミリの隙間をあけて張ってもらった壁にクロスを貼り込んで、このようなデザイン貼りとするのです。

アップでディテールを見ると、このようになります。それほど材料費を掛けたデザインではありませんが、安っぽくないデザインになるので、この仕上は良く使わせてもらっています。

壁塗装の直前には、玄関壁の加工大理石のサルバトーリ張りも進んでいます。今回採用したのはワザとザラザラに仕上げた白系大理石のビアンコカラーラと黒い金属の目地棒を交互に張るタイプのトラッティです。

なぜか大理石の厚みと金属の目地の厚みがズレているので、目地棒に厚み調整為の両面テープを張ってもらい、大理石+目地棒のセットを作ってもらい、それを順番に張ってもらうようお願いしています。

2液混合型の接着剤をこんもりと大理石の裏につけて…、

垂直と水平を正確に出しながら一枚一枚を押し付けて張っていきます。

斜め上から見下ろすとこのようなディテールになっています。

玄関扉を開けて最初に目に入る部分なので、どのように仕上がってゆくのか楽しみです!

事務室側にはクロス張りの作業途中で、事務室の書棚の材料は搬入されました。こちらもリーズナブルなシステム家具の南海プライウッドで書棚を作ってもらうのです。かなりの大量の板材が届きました。

大工の小野寺さんたちが、平行や直角がきちんととれていない現場寸法に合わせて微調整をしてくれています。

こちらが組み上がった様子です。窓下だけではサイズが特注なので、造作家具屋さんに作ってもらう予定です。

次はキッチンの組み立てとなります。因みに、造作家具やキッチンといった現場組み立てがある工事は、実際に組み上げる場所の3~4倍ほどのスペースが必要だと言われています。

先行して大工さんが張ってくれたキッチンパネルの上から、吊戸棚用の下地を作っていきます。

背面側はトールの引き出し式パントリー収納が入るバックセットが組まれています。

大型シンクと60センチ幅の食洗器と3口のガスコンロが入るキッチンカウンターもセットされました。こちらの甲板はスペイン産のデクトン(コセンティーノ社)のものとなります。

一通りキャビネットが組みあがったところで、オーダーキッチン・リネアタラーラの弊社担当の牧野さんがチェックに来てくれています。

まだ扉や引き出し、機器類が入っていませんが、大枠が見えてきましたね。

間接照明を吊戸棚やレンジフードの背面に通した特殊なデザインが特徴のキッチンとなります。

ここまでできたところで、一旦キッチン組立作業は空けて貰い、側面セットの立ち上がり壁部分にマラッツィ社のカラフルなタイルのルーメをデザイン貼りしてもらいます。因みに、デザイン貼りした理由は所々に縦のタイルを貼ることで、タイル面のサイズ調整をして、カットするタイルの枚数を減らしているのです。

最後に扉材と引き出しをセットして…、

キッチンの完成です!カガミ建築計画が得意とする、多様な扉材や甲板を使った、複雑に絡み合ったキッチンです。 ところで、良くなぜ1種類の天板材や扉材にしないのかと質問されることがありますが、内部に周のされるものが多岐にわたるキッチンで、扉を一つの面材にする方が却って不自然だと感じています。 今回は以下の様に考えています。重たい鉄製の鍋やフライパン、ステンレス製のボウルやザルを収納する箇所はハードで機能性を感じさせる濃灰色の扉材に、ガラスのコップなどを収納する吊戸棚はトープ色の塗装扉、食材や和食器といったものを収納する箇所はオーク突板の扉としています。甲板や壁材も機能に合わせて、セラミックとクオーツストーン、キッチンパネルやタイル張りにしています。