大理石製のキッチンを突き詰めようとしている横浜H邸では、先々回のキッチンショールーム巡りでミノッティクチーネで進めることが決まりました(ちなみに、イタリア家具のミノッティとミノッティクチーネはお互い何の関係もないブランドです)。

ただ、ザ・ライブラリーではいまだ大理石製のキッチンを作ったことが無かったので、何ができて何ができないかをもう少しミノッティクチーネから教えてもらう必要があったので、各務、田口、岸本、竹田のスタッフ4人で改めてショールームを訪問させて貰いました。

ミノッティクチーネのキッチン打合せ

実は総大理石製に見えるこちらのアイランドカウンターキッチンも、内側の扉は木製で作られています。長方形のアイランドカウンターの4面の仕上げ材を大理石にしようとすると、食洗器の扉をどう対処するか、引き出しだとコーナーをトメ加工にした仕上げが可能だが、開き扉だとディテールが変わってきてしまうことが判ってきました。

ミノッティクチーネの総大理石製キッチン打合せ

つまりこの写真のような納まりを全てのコーナーで実現するのはかなり難しいということなのです。

ミノッティクチーネの総大理石製キッチン打合せ

背面収納のビルトイン型冷蔵庫の扉を大理石張りにするのも、いかにも簡単そうに見えますが、こちらもかなりの制限があることが判りました。冷蔵庫と冷凍庫で上下に分かれているビルトインタイプの冷蔵庫で表に大理石を貼ることができる製品が無いことも判りました(後日、一つだけ見つかりましたが…)。そうなると、コンパクトなキッチンなのに冷蔵庫と冷凍庫で2本のキャビネットをレイアウトするか、冷蔵庫をビルトインする面を木製にするかなどの選択肢を考えないといけないことも判りました。

ミノッティクチーネの総大理石製キッチン打合せ

この背面収納も足元をよく見ると隙間が空いています。

ミノッティクチーネの総大理石製キッチン打合せ

高さ60ほどの隙間を作らないと大理石張りの冷蔵庫扉を設置できないことも教えて貰いました。

ミノッティクチーネの総大理石製キッチン打合せ

このカッコよい大理石張りのシンクも、ディスポーザーをつけようとすると、かなりハードルが高くなることも判りました。大理石製シンクは防水性が無いので、水をためる機能はつけにくいとのことも聞きました。

ミノッティクチーネの総大理石製キッチン打合せ

こちらで暫定で考えてきたキッチンレイアウト案をミノッティクチーネの一瀬さんに見て貰いましたが、アイランドカウンターが2400×900とコンパクトなので…、

ミノッティクチーネの総大理石製キッチン打合せ

そもそもビルトイン型の食洗器ではミーレもガゲナウも扉の重量の問題で大理石を貼れないことも初めて知りました。昨年末に販売がスタートしたアリアフィーナの食洗器だけが大理石扉にできることが判りました。なんとなく大理石張りのキッチンを色々な写真で見たことがあり、どんなことでもできそうな気がしていましたが、かなりの制限の中で工夫をしないとH様のリクエストに応えることができなさそうです。

ミノッティクチーネの総大理石製キッチン打合せ

H様からは、全てを大理石張りにするのではなく、部分的に黒っぽい木の扉を入れるようなアイデアCGも送ってもらっていたので、一応ミノッティクチーネの木製扉のコレクションも拝見させてもらいました。

ミノッティクチーネの総大理石製キッチン打合せ

ダークな木目だけでなく、グレー色の扉も作ったことがあるとのこと、色々なバリエーションを見せて貰いました。

ミノッティクチーネの総大理石製キッチン打合せ

次回のH様とのお打合せで、まずはリビングダイニングキッチンのCGを作るところまで作業を進めるとお約束をしているので、アイランドカウンターのサイズ、冷蔵庫やビルトインオーブン等の位置、仕上げ材でどこを大理石張りにして、どこを木板張りにするかを検討している様子です。まだ検討段階ですが、3つのデザイン方針が決まってきました。

最初の案はアイラインドカウンターを大きくして、そこにシンクとコンロを持ってきて、背面にオーブン、ビルトインコーヒーメーカー、冷蔵庫を並べて、全てを大理石張りで仕上げる案です。

こちらが一番最初に考えていた案です。アイランドにはシンクだけにして、背面にコンロと冷蔵庫、側面にオーブンとコーヒーメーカーを入れる案ですが、コンパクトタイプの冷凍冷蔵庫を大理石張りにするのが難しいことが判っているので、その点を解決しないと実現できない案となってしまっています。

ミノッティクチーネの総大理石製キッチン打合せ

最後の案は、冷蔵庫とそこから繋がる壁と、側面収納を濃い目の木目板張りで納める案です。実現性が高く、かつ金額的にも第一と第二の案に比べれば安価にすることができそうです。

ミノッティクチーネの総大理石製キッチン打合せ

まだまだ検討するべきことが多く、案の方針が決まってからも一瀬さんを交えて打ち合わせが続きます。

ミノッティクチーネの総大理石製キッチン打合せ

Hさまが初見で気に行ってくださったミノッティクチーネのこのカッコよさを何とか活かしたキッチンを作るべく、ここからも検討を続けてゆきます。