半年前にリノベーション工事後の一年点検を行った中央区S邸のお客さまからのリクエストで、階段の踏み板(段板)の交換工事が始まりました。

このような鉄骨造のスケルトン階段に木製の踏み板が取り付けられている階段のうち、踏板を交換する工事となります。

踏み板は6か所のビスと接着剤で固定されていましたが、構造を傷めることなく順調に外して行くことができました。

ただ、住戸内に階段が一つしかなく(エレベーターもありません)、下階のリビングダイニングキッチンと、上階の寝室、トイレ、浴室との行き来ができなくなってしまうので、お客さまのSさまご一家にはマンション内のゲストルームに3泊して頂いての工事となりました。

工事自体はそれほどの規模ではないのですが、貴重なアートや家具、照明器具も多いので、工事の時に発生するホコリを被らないように、かなりの範囲を養生しての工事となりました。

新しくする踏み板の材料と色は、このようなサンプルを作って、郵送してご確認頂くことで、お打合せなしで進めさせていただきました。

最終的に選んで頂いた色味に沿って作った作った新しい踏み板がこちらです。

外した踏み板の箇所に仮に乗せてみた写真がこちらです。中々の良い色目になりました。

以前の踏み板と比べてみたのがこちらの写真です。以前は踏み板に溝を2本掘った形の滑り止めでしたが、今回はお客さまとのご相談で真鍮の角棒を彫り込んだ個所に埋め込んだ仕様に変更しています。

 

裏側からビスと接着剤を使って固定しています。

 

 

 

そして新たに生まれ変わった階段がこちらです。違和感なくS邸の雰囲気になじんだ踏み板の色味になりました。

メゾネット上階から見下ろした新しい踏み板です。

アップで見た階段です。真鍮の目地棒がキラッとしてアクセントになっていますね。
因みに、メゾネット住戸の室内階段は建築基準法上の主要構造部の一部となります。マンションの場合、その階段が主要構造部の過半なのかの判断がとても重要になり、弊社で以前役所に階段の架け替えができるかを確認した際には、増築当るとの判断があったことがあります。そうなるとマンション全体のことと関わってくるので、容易に架け替えができないということになりますので、構造部は触らずに今回のような模様替えをすることをお勧めしています。