高層メゾネットマンションのスケルトンリノベーションプロジェクト、中央区S邸のビフォーアフターの写真を整理致しました。
リノベーション前は、メゾネットの吹き抜けが空間的には明るく大きな空間とはなっていましたが、吹き抜け上部に小さな照明が吊るされている程度(ビフォー写真には写っていませんが)で、空間的なクライマックス感は感じられない空間でした。リノベ後は、吹き抜けから吊るされたトム・ディクソンの不整形のペンダント照明が、まるで浮かんだ風船のように浮遊感を演出し、更には吹き抜け壁に張った大理石調タイル等の質感で、視覚的にも大きな上昇感が生まれました。
全体的に濃いグレーから黒に寄った色調、素材を使ったことで重厚感が出ていますが、メゾネット上階に上る階段の手すりをシャープなものに変えて、黒く塗装したことで、引き締まった空間になります。
唐突だった下階の柱型も、大理石を張って飾り棚を設けて、壁との間に造作の書斎テーブルを設置したことで、違和感がなくなりました。また、吹き抜け部分のマリオン(窓の竪枠(タテワク)、方立のこと)にダイノックシートを貼ることで垂直性を強調したことも、さり気ないデザインですが効いていました。
反対にダイニング側から吹き抜け側を望んだビフォーアフターの写真です。階段の内側にカラーガラスの壁を立てるというお客さまのアイデアが秀逸で、区間がうまく分節化され、ダイニングとリビングの空間が仕切られて、ダイニングテーブルの置き場が安定致しました。
ダイニングのビフォーアフターです。素材の質感にはとても鋭敏なお客さまと一緒にCGを作りながら選んだことで、全ての素材、色味がしっくりと来ています。わざとラフに仕上げた天井の左官仕上げと、節ありのワイルドな床材もマッチしています。
キッチンは壁を完全に撤去したことで、LDと一体化されました。背面の収納も冷蔵庫やワインセラー、ビルトインオーブンが入りながらきれいに収まりました。