メゾネットリノベーションの中央区S邸の下階の第一期工事の一つの山場の柱型の大理石張りが終ったとの現場からの連絡があり確認に行ってきました。

黒大理石張りの柱と暖炉型

初めて間取り図をS様から見せて頂いた際にも、下階の中央壁際にある柱をどのように見せるかは大きなインテリアデザイン的な判断になるだろうと思っていた要素でした。S様もリビング側には飾り棚を設け、ダイニング側には柱型の前に彫刻を置きたいとのこと、存在感のある仕上げ材になさりたいとのご要望がありました。

当初の設計案では、施工の手間などから考えて大理石柄の大判タイルで検討を進めていましたが、見積り価格が高くなりすぎてしまったので、本物の大理石に代えることになりました(本物の大理石の方が大理石を真似た大判タイルより安いとは本末転倒ですね…)。大理石柄タイルは色味や柄のコントロールが楽ですが、本大理石は良いものを見つけるのが難しく、日本と中国の大理石から黒ベースで、白い柄がハッキリと入るものを石屋さんに探して貰いました。

黒いけれど白い線がほとんど見えない大理石の中に、一つだけ強く白い線が稲妻のように入るネロマルキーナという大理石が見つかり、その候補写真をS様にお見せしたところ、イメージにピタリと合っているとのことで、こちらで進めさせて頂きました。

その後こちらで作成した石取り図です。作業途中に何らかの原因で割れてしまうことも考えて、石割と石取りはザ・ライブラリーに任せて頂きましたので、実はこの図面は内輪のものです…。

こちらは事前に鉄工所で作って貰った、飾り棚のフレーム型です。左側の木ベニヤ板で作ってあるのが、現場で大工さんが作ってくれたモックアップで、それをもとに右側の黒い鉄製のものを本番として作って貰いました。

ここまで鉄工所で作ってから、塗装工場に出して真っ黒に塗装して貰ってから現地に入れました。大理石で作って柱型にピタリと収まった鉄枠です。

黒大理石張りの柱と暖炉型

背面から見た柱型です。左側のソリド張りの壁との間には、造作家具工事で書斎テーブルをはめ込む予定となっています。存在感たっぷりの柱型、素材に強いこだわりのあるS様も必ず満足して下さる出来になりました!