中央区の高層メゾネットマンションリノベーションプロジェクトのS邸の解体工事が始まりました。

床はフローリングが剥がされましたが、これから床暖房パネルとパーティクルボード、遮音置床下地まで撤去される予定です。天井も少しでも天井高さを上げたいので、元々が下がり天井になっていたキッチン周辺はLGS下地ごと撤去することになっています。

現場監督の栗原（左）と田口（右）と前田（中央）と各務（撮影者）で吹き抜け部分の工事スケジュールをどうすべきか相談しております。というのは、今回の工事は設計スケジュールやお客さまの予算の事などから、メゾネットの上下階を分けて工事をすることになっているので、吹き抜け部分の何の工事をどちらに含めるかで、工程が大きく変わってくるのです。天井まで届く櫓のようなタワー足場を組む必要があるのですが、それをどのくらいの期間置いておくのかを相談致しました。

吹き抜けに関連して、下階の天井が、吹き抜けの壁とぶつかる部分の出隅の取り合いと見切りの打ち合わせも致しました。下階天井はカチオンタイトの左官仕上げの予定ですが、吹き抜けの壁はタイル張りになるので、比較的しっかりとした見切りを取り付けておかないと、左官を仕上げることはできないと思っております。

下階のダイニングからリビングへと続く、大きな壁（写真右）はSOLIDを張る壁です。照明器具やテレビ配線、コンセントなどを壁に埋め込むので、LGSの下地を組んで貰っています。

下階天井はなるべく高くしたいので、写真に写っている同時給排気タイプのレンジフードのダクトも整理する必要があります。LEDのライン照明を組み込む部分があるので、スプリンクラーの位置関係なども厳密に打ち合わせをしておくことになります。

こちらはかつてSIC（シューズ・インクローゼット）とトイレがあった下階の玄関ホールです。ＳＩＣもＷＣも撤去して、大きな玄関空間とする予定なのですが、梁下に設ける造作家具内に収める分電盤にどうやって幹線や配線を持ってゆくかが悩ましい所です。

解体がある程度進んだ所でのお客さまのSさまに現場に来てもらっての打ち合わせの際に、玄関ホールの造作家具と玄関ホールからLDKへと続く開口部の扉の高さを少し下げることで、上記の問題が解決できることをご説明してご了承頂きました。

この日は、解体したことで分かったこと、変更せざるを得ないこと等を現場と図面を見比べながら一通りご説明させて頂きました。

また、ここまでで大よそ決まってきた下階の仕上げ材ですが、それらを現地の光環境の中で見て頂くことと、幾つかの未決素材を決めるために、きれいに下地まで撤去された現地の床に白い紙を敷いた上に素材を並べてみました。

コロナやウクライナの戦争のことで、素材の在庫が乏しいフローリング、値上げが予定されている素材などは既にSさまにご了承の上で発注済みのものも幾つかありますが、造作家具の木目の色味やタイルなどを決めて頂きました。

こちらが最終的に採用することが決まった素材だけに絞って並べて素材リストです。右上の黒い素地に白い線がランダムに入っているのは、LDの真ん中にある柱に張る大理石、ネルマルキーナのサンプルです。

中々Sさまのイメージにあう大理石が無かったのですが、下請けの石屋さんが国内にある黒い大理石を探して貰った結果、このネロマルキーナが見つかりました。前田が持っているのはそのネロマルキーナのスラブ材（大判の大理石の板）の写真です。スラブ材のどの部分をどう切って、どのように張るかの細かいデザインは任せて頂くことになりました。

柱型にはバイオエタノールを燃やすエコスマートファイアーを組み込むので、複雑な形の柱型になってきます。重量のある大理石を張るので、鉄骨で下地を組む必要があるので、細かい寸法を現場で相談しました。

ザ・ライブラリーはカガミ建築計画とTAGKENのコラボブランドとして発足して2年目で、設計・施工事例もまだまだ少なく、その2作目として始まったS邸は相当に難易度が高いプロジェクトなので、まだまだメンバー全員が現場に集まって打ち合わせをして行く必要性がありそうです…。

ほぼスケルトンになってきた大きなS邸の現場を、きちんと納めてゆくことでザ・ライブラリーのチームワークもより良くなっていくと信じて、これからも頑張ってゆきます！