新築リノベプロジェクトの千代田区O邸に、造作家具が入ってきました。

既に取り付けが始まっていますが、右側の壁にはウォールナット突板の三方枠が、左側にはワインセラー収納周りが始まっています。今回の造作家具はアルノにお願いしましたが、アルノ社長の鵜飼さんと取り付けのスタッフが3人来てくれています。部屋の中央に置かれている箱もの家具が、ここから順次取り付けられてゆくのです。

サイズ的に一番大きな家具は、テレビ壁の周りを取り囲むこちらのウォールナット三方枠です。造作家具と言いながら、実は主要な機能は無いのです…。ただ、壁を縁取るデザイン的な要素なのですが、仕上がりを見て頂ければ、その重要性は判ってもらえるハズです!

ベランダへの窓側から見ると、このようになっています。右下の部分だけ、石膏ボードが切り取られているが分かりますでしょうか?躯体に吹き付けられた断熱材が見えていますが、この部分だけは下部に作るアンプ等のAV機器の奥行き、さらには熱を発する機器の排熱を壁裏から天井裏に持ってゆくためにボードを外し貰っているのです。

三方枠の上を覗き込んだ写真です。このように大きな板を下から固定するためには、通常は下からビスで揉む(変な言い方ですが、ビスをネジ込むこと)のですが、そうするとビス頭が出てしまうので、その部分をビスキャップや木栓で隠すことになります。技術的にはその方が確実で簡単なのですが、デザイン的にはハテナなので、今回は梁型の石膏ボードを張る前のタイミングで上のLGSとベニヤ板側から引き寄せることでしっかりと固定しているのです。

三方枠の窓側の柱型には、すでにカラーガラスが貼られ、同色で作ってもらった巾木まで取り付いています。

そして、こちらはテレビ壁の対面のワインセラー収納側です。向かって右側がかつての収納で、中央はただの壁、左側が洋室2への扉となっています。それぞれ機能的には関係が無い建築要素なのですが、それらが個別に並んでいるだけだと、デザイン的は大きくどっしりと構えたTV壁の対面としては貧弱に見えてしまうので、3つの要素をまたまた木製枠で囲い取ってデザイン的に一体化させようと考えています。

斜めから見ると、このようになっています。手前がワインセラーカウンターと上部吊戸棚となります。

ワインセラー収納を囲う木製枠(こちらの枠は灰色に塗装した枠です)がカラーガラスの上、そして洋室2の扉枠まで伸びて、3つの要素を一体化させる目論見です。

そうこうしているうちに、アルノの職人さんたちがカウンター下台も取り付けてくれています。

引き出しキャビネットの隣には、ワインセラーが入るので、上部にはランバーコアの下地材が留められています。

アルノはオーダーキッチンを作っている造作家具屋さんなので、引き出しの金物は最高級品のブルムモーション社製品、箱の脚のシステムもキッチンとハーフェレ社のプリンスアジャスターシステムを使ってくれています。

廊下付きたたりに設ける、ウォールナット羽目板パネルもアルノさんが作ってくれたものです。

こちらは造作家具ではありませんが、玄関ホールのカラーガラスとミラーも貼られてきました。

玄関ホール反対側の壁とSICの入り口回りもダイノックシート張りが終わっていました。玄関ホールと廊下を空間的に別の空間に仕立てるために、カラーガラス張りのニッチと同じ幅でダイノックシートを張り、さらには天井にもそのラインに沿って目地を入れて貰っています。

こちらは廊下からリビングダイニングに入る部分の床です。以前の扉の両袖にあった壁を撤去し、新たにフロアヒンジを埋め込んで、大型の扉を吊り込むので、既存のビアンコカラーラの床石を部分的にはがしてしまっています。

既存のビアンコに比較的似た素材が見つかったので、玄関ホールで床を拡張した部分と、こちら、そして入り口位置を変えた洋室1の手前に、新しい大理石を張ってゆき算段となっています。