昨年末に行った完成見学会以降、ブログの更新ができておりませんでしたが、オープンルームでも幾件かの新しいお問い合わせがありました。まだ仕事の段取りもきちんと決まっていない、手探り状態でスタートしているザ・ライブラリーですので、お客さまからのお問い合わせやご要望に沿った形で、複数のプロジェクトが水面下で動いております。
先日は、ここしばらくオンラインでしか打ち合わせをしていなかったので、主要メンバー4がモデルルームに集まって今後の動きについての確認会を行いました。
以下、その際に撮影したモデルルームのインテリのディテールをご紹介致します。
南青山モデルルームは既存壁は基本壊さず、仕上げ材だけを変える表層リフォームでどこまでインテリアグレードを上げることができるかにトライしております。こちらの壁はダイニングテーブルの平面の壁ですが、既存壁のビニールクロスを剥がし、新規の5.5ミリベニヤ板をその上から張り増しし、クロスを巻き込んだように見せる目地を入れています。出隅(デスミ)でクロスを見切っているので、クロスと同色に焼き付け塗装したアングルで端部を抑えています。
同じ壁の床付近のディテールです。こちらの写真の方が同色のアングル見切りが良く分かりますね。実は巾木だけは元の白い巾木だと壁が浮いて見えてしまうので、やはりクロスと同色に塗装した巾木に交換しています。この手法では壁が7ミリほど出っ張ってきますが、床は全く触らずにインテリアをグレードアップできるのです。
こちらは同じ素材のクロスを、もう少し複雑な模様に沿って展開した玄関ホールの壁のディテールです。真っ白なビニールクロス張りの壁は、アートか家具を置かないとあまりに無味乾燥で、漂白した空間に見えてしまいます。クロスパネル張りの手法を工夫して、アミダクジのようにパネルを入れると、質感のある繊維クロスの陰影が壁自体に存在感を与えてくれるのです。
そんなクロスパネル壁とカラーガラス壁のコーナー部分に、彫刻作家・水田典寿さんの作品を飾ってみました。流木に少し手を加え鳥の顔を彫り込んだ小作ですが、その影がカラーガラスに映り込み、このコーナーがイキイキと見えてきました。
上の写真はクロスパネルとカラーガラス壁が入隅(イリスミ)でぶつかっていましたが、玄関から廊下に進む部分では、出隅でぶつかっている個所があります。入隅は特別なディテールの処理をしないでも問題ないのですが、出隅はモノが当たることもありますし、そのことでガラスが割れたり、ヒビが入ってしまう可能性がありますので、金属製の見切り材を入れています。カラーガラスの表面と硬度が合うようにステンレス鏡面磨きのアングル見切り材を使っています。ほんの小さな見切り材なのですが、これがキラッと光ることで、指にはめた指輪の輝きのように華やかさを加えるのです。
最後のこちらはリビングだインニングの木製フレームと間接照明壁です。ウォールナット材で作った木製フレームは上端を少し出っ張らせて、その上にLEDの間接照明を仕込んでいます。その間接照明が当たる壁に、金属製のルーバーを取り付けています。通常のマンションであれば、この立上り壁も普通のクロスで仕上げるのでしょうが、ここにルーバー状の凹凸が入った金属素材を持ってくることで、単に間接照明で天井が浮かんでいるように見えるだけでなく、木製フレームと壁が一体化して、その大きな壁が舞台セットの書き割りのように浮かんで見える効果が出てくるのです。