千代田区O邸の工事は順調に進んでいます。
リビングダイニングの一番クライマックスとなるテレビ壁の造作が進んでいます。と言われても、何が進んでいるのかよく分かりませんね…。既存の梁型の石膏ボードをはがして、門型の木製フレームを挿入する準備をしている段階です。ウォールナット柄の木製フレームを取り付けるのですが、ビスで固定する際に表からビス穴が見えないように梁型の表の石膏ボードをはがして、上から引き寄せるように固定しようと考えています。
バルコニー側から見ると、このような様子になっています。右手前下を見て頂くこと、この部分だけ石膏ボードがはがされているのが分かるでしょうか?実はこの個所のボードと下地LGSを外すことでAVボードの奥行きを確保する算段となっているのです。
テレビ壁の反対側、納戸と洋室2への入り口側の壁です。納戸は扉も扉枠も内部造作も全て撤去していますが、洋室への扉枠はそのまま残しています。ただ、元々は白かった枠ですがトープ色のダイノックシートを張っています。中央の壁も腰辺りに線状にシートが貼られていますね。
それをアップで見たものがこちらです。このボードの背面は洋室2のクローゼットになっているので外せないのですが、納戸と洋室2の扉を一体のデザインに見せるために、この石膏壁を残しつつ、門型フレームやカラーガラスを貼ることで一つのデザインみ見せる工夫をしているのです。ちょうど帯状になっている箇所はカラーガラスの継ぎ目の箇所にあたり、正面から見たときに名刺一枚分透かせて張ったカラーガラスの隙間にボードの色が見えないようにこの帯状のシートを張っているのです。
こちらはキッチン側の壁です。一番右がキッチンへの入り口、その左にパネル壁、収納(扉は外してあります)そして廊下への開口と並んでいます。
同じ壁を斜めから見た写真です。キッチンの扉は、リフォーム前はアウトセット引き戸(壁の前(キッチン側から見ると外側)に扉があり、その位置で開閉する引き戸)だったのですが、それだとダイニングから一番よく見えて、絵などを飾りたくなる壁の前を引き戸が通ることになるので、引き戸レールはそのままに、アウトセット引き戸の前に薄い壁を立てて、引き込み戸(戸袋の中に戸を引き込むタイプ)にリフォームしたのです。
右手に見える白い枠が元のキッチンの枠で、その手前の天井にシルバーの吊り戸レールが見えます。そのレールの手前側(写真左側)に薄壁を立てて、引き込み扉変えたのです。扉自体は交換しますが、元の枠と上吊りレールはそのまま再利用するのです。
キッチンの扉に向かって右側の壁はクロスパネル貼りとしています。
正面から見ると、中央部にインターーフォンや床暖房のスイッチ等を配置し(今はその配線用の穴だけですが)、その周りにあみだくじ状にラインを入れて区切っています。
その上部の入隅(イリスミ・二つの壁面が凹んだ箇所で出会うコーナーのこと。出っ張ったコーナーは出隅(デスミ))には、色々な要素が集まってきています。右手の梁型には木製フレームがまだ取り付けられていませんが、間接照明で照らす金属製スパンドレル(主に外壁などで使う金属製装飾板)を張り、左側の梁型には鏡を張るので、その見切りとして鏡面磨きのステンレスアングルが取り付けられています。それらの取り合いがどうなるかを現地でモックアップのように試している様子がこちらなのです。まだ全容が見えていませんが、こういった細かい箇所のディテールをきちんと設計し、検証しておくことで施工がうまくいくのです。
リビングダイニング以外の箇所でも工事が進んでいます。こちらは一旦スケルトンにしてから床下地を組みなおした洗面所です。
先回のブログで床下排水管を紹介した浴室入り口のトイレもうまく取り付けられています。便器背面の壁は床に貼ったものと同じタイルを張り伸ばしています。
カウンターに埋め込んだ洗濯機の斜め上の天井付近には、L字型のハンガーバーが取り付けられています。既製品だと壁と天井にフランジが見えてしまうのですが、丸パイプを曲げ加工して、二重壁の一層目に固定用フランジを隠して、その上から二重目の石膏ボードを張ることでスッキリとした取付に工夫してくれています。
玄関ホールのニッチにもカラーガラスと姿見の鏡を張るので、その隙間に当たる箇所にダイノックシートを張っている様子です。
下地造作工事がほぼ終わってきたので、大物の造作家具と建具の搬入設置が次のクライマックスになりそうです。